2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

カトマンズ

何もかもが生気を放っている。 今は稲刈りのシーズンらしく、家族総出で田んぼにでている。 中に入って一緒に作業をしたいもんだ。 でも体は30km先のカトマンズへと急ぐ。 カトマンズ盆地が木々の間にパッと現れた。 もどってきた。 1カ月前と同じゲストハウ…

ドゥリケル

屋根に人を満載したバスの列。 こういうことが許されるテキトーさ具合が 心地いいっす。 昨夜はネパール人のお宅に泊まらせてもらった。 普段は娘さんがつかっているらしい きれいなベッドに案内されて恐縮していると 夜中、南京虫が出てきた。油断していた…

コダリ

四川省からこの山間の街に嫁入りしてきた 小さな火鍋屋の女主人は話し好きで。 「ここらへんの景色はきれいですね。」と話したら、 「ここらへんなんて何もないじゃない。」 「あるのは谷だけ。ここよりも林芝や玉樹、四川の チベット自治州の方がきれいよ。…

ニャラム

朝、バター茶とザンパをご馳走になる。 でも二日前から胃がムカムカして飯を食べられない。 高度と疲れのせいなんやろうか。 インドで大量に買っておいた経口補水液の粉末を 水に溶かして飲み、おかしをかじるだけで精一杯。 あと、オナラが大量に出る。 一…

孔腊

チベットには「おばけ坂」というものが多い。 目で見ると平らな道なのに、実は上っている、とか 上っているように見えて、じつは下っている、とか。 視覚なんて頼りにならず、 自転車を転がしてみて上りか下りか初めてわかる。 平らな道を走っていて あれ?…

オールドティンリー

エベレストはどれだろう。 武装警察の検問が前方に見える。 2週間ほど前にここを通ったサイクリストが 一時的に拘束されたあと、国境まで強制移送されている。 そんな情報をラサで得ている。 まあ、ここを通るしかないわけだけれど。 「停まって、記帳して…

ティンリー

夜中に降り出したミゾレ。 量は大したことないんやけど。 自転車のギヤからディレーラー、Vブレーキ。 細かいところまでしっかり凍らせてしまって動かない。 谷から水を汲んできて自転車にかけ、 ジワジワと溶かすつもりが、 早朝の谷は日が入り込まないおか…

ラツェ

夕暮れ時を走っていると犬がついてきた。 なにやら利口そうな犬。 人気のない谷沿いの道を登っていて あと30分ほどで日没という時なので、 頼もしい。 一緒に野宿してくれたら面白いかもな、と 持っていたジュマをちぎってやる。 ものすごい喜ぶ。 普段ザン…

シガツェ

朝は予定通りザンパ。 ああ、そんなにたくさんは要らないよ。 すこーしでいいから、すこーしで。ああ。 で、こねるのが下手くそな僕のかわりに 絵画職人がこねてくれる。 手きれい? さらに、今までになかった「砂糖」を加えてくれる。 すると、あら不思議。…

仁布

たまにある猫の額ほどの平地で 小麦を作っている。 青海側は街から街まで人の姿を見かけず、 何十キロもツンドラの荒野が続いた。 チベット自治区に入るとポツポツと街の間に 家が見かけられるようになり、ヤクを多く見かけるようになった。 ラサ周辺からは…

ラサ

4000mより下に降りてくると草木が生えていた。 大地に生気を感じる。 あー木だ。木を見るのはゴルムド以来だ。 なんだか心に安心感が広がる。 でも、すぐに違和感を覚えた。 どれも人工林なんだなあと。 ラサに近づくにつれ、中国政府の気配を濃く感じ始める…

羊八井

カサカサとテントの際に雪が積もっていく気配。 朝、テントのジッパーをあけるとあたり一面真っ白だった。 青海省側とちがって、ここらの雪はベタベタと湿っぽい。 服に着いたときから雪の結晶もつぶれてしまっていて、 すぐに水にかわって物を濡らす。 が、…

当雄

「チャー トン(茶を飲め)」 巡礼の皆はとっくにスタートしていて、大きなテントの中には 子供とおばさん、ドライバーと老人だけが残っている。 「マー(バター)を入れなさい。」こうやって飲むのさと、ドライバーのおっちゃんが 茶の表面で溶けるバターを…

桑雄

テントを張る場所が見つかりそうにない。 もうナイトランはこりごりだなあ、と夕暮れ時。 道沿いにテントを見つけた。 ラサに向かう巡礼者のものだった。 ここにまぎれこんでテント張れば 公安に怪しまれないやろう。 テントから出てきた青年に 「近くにテン…

アムド

夜中、小便がしたくなったけれど 外に出るのが億劫なのでコップの中に出して そのまま寝た。 朝起きると、小便もテントの中のペットボトルの水はもちろん テントも寝袋も水分なんてないはずのバッグでさえバリバリに 凍りついていた。 テントの外に腕時計を…

唐古拉山

青海省とチベット自治区の境、 標高5200mの峠を越える。 ちゃんと舗装路があり、勾配は意外とゆるやか。 この程度の坂は雲南でいくつも登ってきたのになー、 息が続かないなー。 数十両連なってラサから来る軍隊の車に出会う。 「あの輸送車の列は何ですか…

雁石坪

夜中に宿に困った団体客が来たらしく 彼らの食いかす、タバコの吸殻が床に散乱している。 警察の施設だというのに自国民は強気だなあ。 僕はビビリまくっているのに。 朝7時。 床暖房は消されて、窓も全開。 「よく眠れたか?」 「悪いけど、起きてほしい。…

トトフ

これから先のチベット自治区に行くには 外国人旅行許可証が必要だけれど、 自転車旅行の我々にそういうものは絶対に下りず、 公安に捕まったらなんらかの罰を受けることになる。 午後八時。完全に日が落ちた。 その気はなかったけれど、適当なキャンプ地を …