オールドティンリー
武装警察の検問が前方に見える。
2週間ほど前にここを通ったサイクリストが
一時的に拘束されたあと、国境まで強制移送されている。
そんな情報をラサで得ている。
まあ、ここを通るしかないわけだけれど。
「停まって、記帳してください。」
武「中国人ガイドはどこにいますか?」
僕「いません。」
武「旅行許可証を見せてください。」
僕「ありません。」
(やばいなあ、この雰囲気。)
武「ちょっと待っていなさい。」
事務所に入り、電話で誰かと相談し始める武警。
数秒で電話は終わる。
武「あなたが居る場所はここです。
ここが国境の樟木という街。そこまで一切の寄り道は許されません。
いいですか?もし国道をそれた場所であなたを発見した場合は
逮捕します。」
「エベレストベースキャンプも行くことは許されません。」
とジェスチャーを交えて説明された。
エベレストBCに自転車でたどり着くのは
サイクリストの一つの憧れではあるけれど仕方ない。
ほんとはラサから国境まで車でかっとばす予定やったし。
BCに行かないことで旅程に余裕ができた。
さあ、国境まであと250kmのんびり行こう。
オールドティンリーの街で、ネパールに着いたら食べようと
楽しみにしていたネパールの定食ダルバードを
食べることができた。
西洋人も多く見かける。
なんだか半分ネパールに着いたような気がした。
気をぬくと体に異変が起きそうだなあと思っていたら、
晩から胃腸の調子が極端に悪くなった。
あいかわらず正直な体。