愛媛

今治

しまなみ海道。大きな橋を自転車で渡れる。 島を幾つもまたぐとなにやら方向感覚がめちゃくちゃになってくる。 夕暮れの大橋。車がびゅんびゅん飛ばす横で立ち止まって瀬戸内の島々と行き交うタンカーを見る。自転車で良かったと思うひととき。

受けた恩は

五十一日目。 標高480m、65番三角寺は思っていたよりも近かったけれど、 ひどく体が疲れていて、寺でのんびり時を過ごした。 この、いつでも5時間ぐらいは寝られそうな 疲れの蓄積具合。遍路に帰ってきたな、と思う。 山を下る途中に、休憩所があったので 昼…

秋の気配

五十日目。 昨夜は、三十四回も八十八か所をまわっているおっちゃんと 話をした。一回3万円ぐらいで周っているらしい。 A 托鉢をして糧を得る B 知り合いをめぐって糧を得る 3万円で抑えるには、どっちかなのだけれど Aは寺から疎まれて四国に居づらくなる。…

復帰

四十九日目。 3週間ぶりに遍路に戻ってきた。 昨日は着いたのが遅かったので、そこらで適当にテント張って寝た。 が、予想通り眠れなかった。 自信がついたからか、 実家に居た3週間の間、薬にはほとんど頼らない生活ができていて、 それなりに頭は整理して…

横峰寺

四十八日目。 達成感というのは このことを言うのだろう。 60番横峰寺 登山は思っていたより楽だったけれど、 区切りにふさわしい気持ち。 まだ歩けそうという気もするけれど とりあえずは、ここまでいいかと思う気持ちが強く。 前に区切った、土佐国分寺の…

横峰寺口

四十七日目。 今日は60番横峰寺への登山道入り口にある 標高300mの小屋に泊まる予定。 そして明日の早朝、745mの横峰寺へアタックだ。 今日は20km程度歩けばいい。 あまり歩かなくていいと思ったら、雨がぱらついていた せいもあり、体がだるくて30分ごとに…

今治市

四十六日目。 横峰寺で区切れるかどうかは、今日の頑張り次第。 54番延命寺 55番南光坊 56番泰山寺 57番栄福寺 58番仙遊寺 ぶっ続けに今治の5つの札所を巡ると 普段はたどり着くだけで力が蘇るお寺に居ても 逆にどっと疲れてゆき、 なにがきついって、58番仙…

今治へ

四十五日目。 あと4日で徳島に一度帰る。 1カ月に一度帰ると決めていたから、なんとか続けられたのかもしれず。 そのあたりは、とてもナイーブなところ。 さてせっかく足ができているので、札所で3番目の標高にある60番横峯寺は 今回行っておきたい。 逆算す…

道後温泉

四十四日目。 朝起きると、和尚の姿はなく。 「お経を唱えるときは真剣勝負。」 「真剣勝負してみなさい。」 そんな言葉が頭に残っていて。 49番浄土寺、50番繁多寺 他の参拝客など関係のない真剣勝負。 家族や自分の健康も安全も何も願わず、 ただ懸命に唱…

松山市

四十三日目。 三坂峠。 緩い上り坂を700mまで上る。 なんだか、僕って坂道の方が速いんじゃないかと思う このごろ。 1km間隔の標識から標識まで思いっきり早歩きしてみると11分。 室戸時代より確実に速くなっている。嬉しい。 坂の途中のドライブインで昨日…

生まれて

四十二日目。 高原の夜ってこうなるのか。 寝不足と、夜の冷え込みで風邪をひいた。 今日は45番岩屋寺に行くだけにしよう。 岩屋寺は中国の桂林のような奇岩がボコボコならぶ 山奥にある。車で参道の下まで行けるけれど そこからは誰もが急峻な道を登らなく…

久万御用木まつり

四十一日目。 朝5時前に善根宿を出た。 連日の日中の暑さに辟易して 朝方に距離を稼いでおきたかったし、 今日は峠を越える予定なので 時間に余裕が欲しかった。 7時すぎには、もう10kmを歩いていて。 このへんに大江健三郎の生家があるんだと 散歩中のおっ…

大洲市

四十日目。 ゴーヤ氏といると存在を問われているようで 妙にしんどい。 会わない様に大回りして進み、ダイソーで 時間潰して。 さぁ、さすがにこれでだいぶ離れただろうと 歩き出して数分、 「おーい」 神出鬼没。 献血カーからゴーヤ氏。 「ポンジュース、…

助けられてありがとう

三十九日目。 一人で歩きたかったので、 ゴーヤ氏と微妙に距離をとって歩く。 43番明石寺 ゴーヤ氏に遭遇。 国道沿いでうな丼の看板に見つめられていたところ ゴーヤ氏に再遭遇。 その後は一緒に歩いた。 別に嫌ってるわけじゃない。 遍路小屋にあったノート…

助けられて

三十八日目。 久しぶりの都市部は 妙に居心地が悪い。 宇和島名物の闘牛も見ずに 朝のうちに市街地を抜ける。 41番龍光寺。参道の休憩所で 100回以上まわった人がお寺に納める錦札。 有難がられて、こうやってコレクションする人もいる。 僕は初心者なので白…

続ゴーヤマン

三十七日目。 Oさんが先に出て、 ゴーヤマンがそれに続き、 最後に撤収に手間取っていた僕が残った。 装備に恵まれている反面、行動は鈍くなる。 寝床にしていたゴザをまるめて、 その先をホウキにして、ヨモギの燃えカスを 掃除していったゴーヤマン。 最低…

ゴーヤマン

三十六日目。 夜中、雷を伴って大雨がふり、 寝床のトタン屋根はすさまじい音をたてていたけれど、 気がつくと朝だった。 どうやら眠れたらしい。 朝一テントを出るときの足の痛みは相変わらず、 けれど心の方はそう痛んではいなかった。 7時前に出発。 ひめ…

発作の向こう

三十五日目。 あせも対策にはベビーパウダーがいいよ、とOさん。 どんな風に使うのか見ていたら、指でつまんで ロージンバッグのように手にまぶし、 豪快に股や背中に擦り込む。 湿っぽい空気を忘れさせてくれる優しい香りが広がる。 いいなぁ、次にでっかい…