私がこのようなことになってから
ある人と毎日、メールをやりとりしている。


その人は私に自分のたどってきた過去
つまり、その人自身のことを何通かにわけて
送ってきてくれている。
それを読むことが、リゾート地の安宿でひっそり療養している私の
一番の楽しみであり薬でもある。


彼は、君の心が楽になるならやりたいようにやればいい
そういってくれるので、
先日私から送った返事を以下に書き写してみる。
気の向いたときに、このブログを更新する
それがなんとなく私の気を楽にさせているような気がするので。


相変わらずの駄文だから
暇つぶしだと思ってよんでくれればうれしい。


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バリは暑く、バカンスの雰囲気で
昼間から宿で寝ていると孤独感を覚えます。
気持ちの変化がめまぐるしく、疲れています。


昨日の夜の電話は正直きつかったです。
今は精神を安定させる たったそれだけでも大変なぐらい
気分が沈んでいます。
不安がきそうな不安にさいなまれている、今の状態はこれに尽きます。
あ、不安がきそうだ と思うともうだめです。
気が狂いそうになるのをじっと我慢するしかない数分がおとずれます。


せっかく、いろいろ考えてもらっているのに
本当に申し訳ないとおもっていますが
そういう考えも、気分の毒になるので
あまり考えないようにしています。


ですがメールであれば、大丈夫です。
こうやってあなたからのメールをみて
メールを返すことがなんとなくリハビリになっている気がします。
だから、どんどんメールをください。


いったん、ボタンを掛け違えると
気付かないうちにすべてがずれていってしまう
そんな状態を、この身が体験することになるとは
思ってもいませんでした。
私の場合は、あのソカでの夜をうまく処理できなかった
あそこからすべてが狂い始めた。



むしろ、自分は鋼の意志をもっているぐらいの
気で居たのですから。



昨日の夜お話したかもしれませんが
簡単な設問を20個ぐらい答えた後、私はホームシックというよりは
鬱病と診断されました。精神安定剤を数錠もらいました。


日本人のスタッフ(医者)がいたので、いろいろと話しました。
彼女はいいました。
薬の力は万能ではなく、悩みの根源をあなたが知っているなら
それを解決するのはあなたしかいない、と。
それはわかっていますか?と。


彼女の問いかけや発言はシビアで正直、そうとう心に応えました。
答えながら、私は何度も泣きました。
しかし、これは他の誰でもなくあなたが乗り越えなければならないことなんだと
ゆっくり諭してくれました。


診断が終わった後、落胆して待合室で薬と清算を待っていると
彼女は私にコーヒーでもどうですかと
いってくれました。


バリコーヒーではなく、日本で飲む味のコーヒーでした。
体中に安堵の気持ちが広がりました。
その心遣いを素直に受け止めると涙が出てきて、そのまま
こらえることも無く泣いていると
やけにすがすがしい気持ちになりました。


帰り際に、小説でもどうですかと
一冊の本を手渡してくれました。
「天国までの100マイル」という浅田次郎のハードカバーの本でした。
とんでもなく、だめな男の話ということでした。


いつ帰ってもいいよといってくれたので、
待合室で50ページほど読み進めていると、
人間いたるところに青山あり
という言葉がありました。

旅立つ前に、久々に再会した高校時代の恩師が
私に贈ってくれた言葉でした。「人間はその気になれば何処ででも死ねる」
転じて「人はどこでも生きていける」ような意味だったでしょうか。
「どこでも」を、「どのようにでも」と勝手に置き換えると
少し気が楽になりました。


今は薬のおかげか、すこし気が落ち着いています。
私の行動が、たとえ頓挫、挫折しても
なんらか人の為に役立っているなら嬉しい。


あなたの人生になんらか影響を与えられたのなら
嬉しい。


ここから立ち直っていくさまも案外、絵になるというか
ネタになるのではという気持ち、余裕も出てきました。


昨日あなたがいってくれたように、
自転車をすてて、特別な45通の手紙をバックパックで届ける
そんなことも考えています。



誰に公表することもなく
自分がこの自転車計画を人生のトラウマとしないために
こっそりやってみてもいいのでは、と思います。


自分がほんとうにしたことはなんだったのか
いまさらですが、考えています。



自転車で世界を回り、手紙を配り終えられれば
私の人生はもう思い残すことが無いぐらい幸せに違いない。



でもこれが私向きではなかった、
間違っていたと思えば、軌道修正すればいい

世界一周、そして人とのつながりをたどる
それさえできればいいのではないか。
そう思います。


幸運なことに私のブログの読者は
心根の優しい方ばかりです。
皆が応援してくれること、それは君の人徳だよと、皆言ってくれます。
重圧でもあり、嬉しくもあります。