今2

とんでもなく適当な見出しだけれど。


コメントに返事をだすことが億劫なくせに
また少しなにか書いてみます。
自分勝手だとか痛々しいとか茶番だとか思ったら。
読まないでください。



自転車をこれからも漕ぐかどうかわからないのに
安宿の部屋の前で、チェーンとディレーラーの修理をしています。
修理というか、ぼーっとペダルを回しているようなものですが。


少し前のことになりますが
悪いことは重なるもので、
ソカの宿を出て30分ぐらいこいだところで
チェーンが壊れました。硬い石を巻き込んだらしく
チェーンのコマがひとつ大きく曲がってしまっていました。


チェーンカッターは持っていたのですが、
日本の出発前日に壊してしまいました。
まぁいいやと思ってそのまま壊れたものを
持ってきていました。


自分の工具では直せないので
自転車屋かバイク屋は近くにありますか?
と道端のおばさんにきくと
手で向こうの向こうだと教えてくれます。
二つ向こうの店なのか、
二つ山を越えたところなのかわからず、途方にくれて
道端の露店で買った温いコーラを飲んでいると
道路の反対側でヤシの実ジュースを飲んでいた
トラックの運転手が寄ってきて
「リペアーキットならもってるぜ」みたいな言い方で
修理を手伝ってくれました。


でも彼が持っていたのは、
錆びたペンチと車用の大きなマイナスドライバーぐらいで
まったくチェーン修理に役に立たないものでした。


たぶん、この工具がいるんだよ、と
壊れたチェーンカッターを見せると
「それがあるなら早くいえよ」と
錆びたペンチで器用にチェーンカッターを直し、
「チェーンってのはこう直すんだ、
 今度は一人でやらなきゃならないんだから
 よく見とけよ」
と手を油で真っ黒にさせて、あっという間に
チェーンを直しました。


「だいぶ、埃がつまっているから油を差しとけよ」
「あと、この先の道には俺みたいな奴はいなくて
 デンジャラスマンが多いから気をつけろよ」
と言って戻ると、


私がチェーンに油を差している間に
トラックに乗っていってしまいました。
サンキュー、テリマカシぐらいしかお礼は言えませんでした。


私は名刺やポストカードを持っているのですが、
一番渡したい人には渡せないもんだと思いました。


クタに戻って、チェーンから妙な音がするので見てみると
どうやらディレーラーへチェーンを掛け間違えている
ようでした。


なんとか、チェーンを付け直し
自転車ひっくり返して、ぼーっと
カタカタとペダルをまわしていると気が落ち着いてきます。
糸車をまわすガンジーみたいだな。


非暴力・不殺生。何も関係ないけど静かで良い。
カタカタカタカタカタ
どうなってもいいやん、もう。


あぁ、今バッグの中には
『詩のこころを読む』茨木のり子という本があるけれど
その中におさめられている、一篇の詩を今思い出す。




くるあさごとに  
岸田 衿子          


くるあさごとに
くるくるしごと
くるまはぐるま
くるわばくるえ




あはは。
くるまはぐるまくるわばくるえ、まさに今の私。


旅行に行くときにいつもこの本を持ち歩く私。
この詩が好きだと、以前インドの夜行列車の中で話したら
英訳してくれと、あい席の青年がいう。
それは難儀だなぁと思いつつ、適当に話してみた。


everyday coming morning
everyday coming working
working coming morning
everyday coming coming


Nice poem!とその時彼は言ったけれど。
そろそろ、このとんでもなくひどい英訳を
誰か直してはくれませんか?
 


今夜、知人がバリまで私を見舞いに来てくれます。
その人にはごめんではなく、ありがとうと言うんだよと
別の知人が教えてくれた。



もう私は、なんといっていいかわからない。