ダラア

アンマンのイメージは曇り。


でも今日はすこぶる天気がいい。
宿で朝食を食べて、出発。


アンマン市街地はアップダウンが激しい。
アンマンを出るのが一日仕事。80km先の
国境まで二日かかると思っていたら、
いざ走ってみるとアンマン郊外に抜ける道は意外と平らで、
昼前には国境まで50km地点まで出られた。


なんや、今日シリア国境にいけるんや。
となると「いろいろ」準備が忙しい。


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(右に曲がればイラク)


3時。国境の町ジャーベルに着く。
余ったヨルダン硬貨でコーラとチップスを買う(75フィルス=100円)。
国境手前の商店のおっちゃんはJICAの研修で大阪に行ったことがあり、
茨木市の豊川の研修所がどうとかなんとか、懐かしい地名や。
「シリアにビザなしで行こうとしているの?」
「シリアは冗談通じないよ。でも日本人だからいけるよ、きっと。」

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さよならヨルダン。
緩衝地帯をゆっくり走り、シリア側へ。
国旗が変わる。


シリアのイミグレーションオフィス。
緊張する。


ダメだと、今からアンマンに来た道を戻らないといけない。
その時はさっき仲良くなった商店の軒先にでも泊めてもらおう。


「ビザは?」
「ありません。」
「シリアのどこに行くつもり?」
「ダマスカスです。」
「何日間?」
「15日。」


シリアの係官はスターリンみたいな髪型と黒い制服。
横にいる別の係官は青い目の冷徹そうな男でプーチンっぽい。
さすが秘密警察だらけの国。


手紙配達のことを書いた紙と
ナオラス・ナブチ氏宛ての手紙を渡すと
「3年?自転車。ふーん。」と。


めんどくさそうに席を立って奥に行く
スターリン氏はおそろしく愛想が悪い。


しばらくして、帰ってくるスターリン氏。
「ダマスカスと連絡が取れない。3時間待て。」


3時間でも3日でも、入れるなら待つさ。



「あと、これはとっておけ。大切なものだろう。」
と手紙を返すスターリン氏。
なんか行けそうな気がした。



3時間。イミグレに人は少なく、
スターリン氏とプーチン氏はとても暇そうにしているのに
僕は呼ばれない。


こういう時間、
就職の面接待ちみたい。


日が暮れた。
約束の3時間後。
まだ呼ばれない。
スターリン氏はどうやら勤務終了で、別の係官にかわる。


4時間後、新しい係官が手を振っているので
窓口に行くと
「何日間、シリアに滞在したいんだ?」と。
「15日です。」


「じゃあ24ドル、裏の銀行コーナーで払って。」と。
おお、入国できるんや!


24ドル払って、領収書を手渡すと
ドン、ドンとスタンプをパスポートと色んな紙切れに押す。
「フィニッシュ!ユー キャン ゴー。」



「外は寒いよ。」と銀行コーナーのおっちゃん。
外に出る。
真っ暗。
もう夜の8時。


国境地帯を出る。税関待ちのトラックがズラっと待機している。
平らな道がずーっと続いている。
シリア入国や。



ナイトランで20km先のダラア市街に行っても良かったけれど
サンドウィッチを買いに入った店が感じが良かったので
軒先でテントを張らせてもらった。



お礼にアンマンの宿で日本人からもらった餅を焼き、
これももらった醤油と砂糖で食べる。


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シリア人のお口には合わないらしい。
一口で、「もういい。」と。
そして、僕はエジプトで填めた歯が抜けた。


夜テント。
シリア入れた。
ここはシリアや。

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