捨身ヶ嶽禅定
五十四日目。
71番弥谷寺、早朝。
粘っこいクモの巣をいくつも頭に絡ませて遍路道を抜けると
かわった形をした山が現れる。
香川に下りて来た時、
奇妙な形をした山がいくつも目に付いた。
徳島、高知、愛媛の山はどれも連なっていたけれど、
ここ香川の山は一つ一つが独立していて
妙に人間くさく、霊力がありそう。
山は捨身ヶ嶽という聖地になっていて。
73番出釈迦寺からは500mほどの距離。
次の74番甲山寺は2km先、さらに1.5kmで弘法大師生誕の地
75番善通寺と札所が密集しているので、
こんなところこそゆっくりいくかと思い、捨身ヶ嶽に登った。
登りはまだいいけれど、下りがほんとに怖くて
足ではなく、ケツで下りた。
空海は、ここから3度飛び降りて助かったという。
すごい伝説を作ったもんだ。
出釈迦寺の門前に売店があり、
ここ数日気になっていたイチジクを買い、
店先をたまたま歩いていた方に一つごちそうすると、
お礼にとラムネをお接待していただいて、
それを見ていた店のおっちゃんが「ええ光景やなぁ、じゃあわしも」と
本をお接待してくれて。
一個のイチジクが本になってかえってきた。
しかも、皆が良い気分になれて、よいなぁ。
うどんをお接待してくれた、72番曼荼羅寺近くのおばちゃんが
遍路と遍路に接する自分たちのことを「こっちの世界の人」と言っていて、
ああなるほどと思ったのだけれど、
普段の世界とはちがう道理で動く、こっちの世界を確かに感じた。
観音寺といい、香川に入ってから急にお接待が多くなり
それに伴ってか、板についた遍路姿が妙に誇らしく思える。
信仰篤い本場を最後に歩くというのは、なかなか気分がいい。
3時に75番善通寺に着く。
間違いなく今までで一番大きな寺。お堂の数が多くて
どれが本堂か探してしまった。
京都のようだけれど、やたら帰宅途中の自衛隊員が多い夕方の町を
お寺に紹介してもらった善根宿を探して歩く。
家主の方と話す。
先々代が空海という人にひかれて、海をわたってここに住み始めた。
そんな歴史が自分の血に混じっているから、空海を他人のようには思えない、と。
空海を身内のように思うとは、どういうことか。
自身が手掛けられた司馬遼太郎『空海の風景』英訳を見せてくれた。
香川の信仰心、特にこの善通寺はちと別格。
信じるということ、自分に流れる血、考えることは多い。
本日の歩数
29753歩
トータル
1709852歩
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