神の棲む山で

四日目。


f:id:sekaiisshu:20080617062120j:image
焼山寺の朝、テントの中が暑くなる時間までぐっすり寝た。
とはいっても、朝6時。


駐車場からは雲海が見えた。
標高700mを実感した。
f:id:sekaiisshu:20080617061138j:image


ゆっくり支度をして、あさってには和歌山に行くというS君とお別れをし、
9時に本堂に向かい読経をしていると、となりで尺八をふくおじさんがいた。
この寺への、人の並々ならぬ信仰を感じた。
平地の寺とはなにかが違う。


次の13番大日寺までは約30km。山を下れば平地なのでちょうど一日で着く
距離だろうか。
納経所で次の寺までの詳細な地図をいただき、その通りに進んでいると
峠で私を一人のお坊さんが抜いていった。


とにかく足が速いお坊さんで
あっという間に山の中へ消えていった。


小道をゆっくり歩いていると
さっきのお坊さんが休憩をしていた。
まだ自分からは人とは話したくなくて。
会釈をして通り過ぎ、暫く歩くと山からのわき水が道端にあり
そこで腰を下ろしていると、案の定お坊さんもやってきて
ようやく会話をした。


三十過ぎと見られるその方の黒い装束は見るからに暑そうで、
お遍路が使う三角錐の菅笠ではない、本式の笠はなにやら威厳があり。


聞かれるままにお坊さんにお遍路をしている理由を告げると
立ち去るときに
「これもなにかの縁ですから…」と
「立って、あちらを向いて」
というと、
背中の南無大師遍照金剛の文字をそっと手のひらでなぞり、
何やら呪文を唱えているような間があって、その後
「エイ」
「エイ」
と大きな声で。


「何をしてくださったんですか?」と聞くと
「何かしましたっけ?」ととぼけなさる。


「気が楽になりました。」と何も感じていない背中を背負って話すと、
「そうですか。」と笑い、


「ゆっくり行けばいいですよ」
「こんなものは、何を感じるかが大事ですから」と言うと、
またすごい速さで山の中に消えていくので
あわててカメラのシャッターをきった。
f:id:sekaiisshu:20080617113738j:image


狐につままれたような感覚、とはこのことか。
しばらくお坊さんのことを考えて歩いていると、
山の間から鮎喰川の清流が眼下に現れた。
ここは神山町
私があったのは神ではなくお坊さんだったな、
と歩いているとその鮎喰川沿いの道におりてきた。



最初は感動した清流も4時間もずっと隣に流れていると飽きてくる。
到底、大日寺は間に合わないことがわかって、
今夜の寝床はあの橋の下にしようか、いややっぱり、
先に見えるあの橋の下にしよう、
結局気が遠くなるぐらい歩き続けてやっと徳島市に入った頃、
日もどっぷり暮れた。


地図に載ってある小屋で寝ようと思って
たどり着くと鍵がかかっていたので、仕方なく近くにテントを張ることにした。


今日は山下りと一日続いた晴天で
汗まみれの体では気持ち悪くて寝られそうもないので、
どこかで水をもらって行水しようと思ったが、なにぶんもう遅い時間なので
それは諦めた。


ふと、小屋の横をみると雨水受けと書かれたポリバケツがある。
一昨日雨が降ったことだし、きれいだろうとヘッドライトをつけて中をのぞくと
思った通り底が見えるほどきれいな水だった。


ふんだんにある水をコッヘルですくって
小屋の陰で行水。最高にきもちいい。


今日も疲れたことだし、ぐっすり眠れるはず。



本日の歩数
41794歩



にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ ← 世界一周は必ずする。
ココロよろこぶキモチつたわるWebマガジン「リアン」
ルーカス監督へ送る、愛知からの巻物
NINJApostmanを応援!


■■■計画協力企業 ※敬称略、順不同■■■
株式会社あわわ
マタタビ
株式会社オージーケーカブト
株式会社モンベル
アズマ産業株式会社
株式会社アルテリア
株式会社モチヅキ
株式会社キャットアイ
株式会社エバニュー
株式会社エイアンドエフ
有限会社トヨクニ
サムライ日本プロジェクト
大法紡績有限会社
有限会社東江物産
株式会社マルイ
株式会社ティムコ
挨拶状ドットコム
モベルコミュニケーションズリミテッド