トルカナ湖3

おはようございます。

昼間の暑さはなんだったんだろうか、
というぐらい朝は涼しい。

目に見えないもの、というものを
信じるか信じないか。
僕は三つ子の魂が臆病にできているので、
なにかそういうものに敏感で困ってしまう。

この道に入る前に、
それは首都のアディスで自転車を整備中、
チェーンを切ってガソリンで掃除したあと、
再びチェーンをつなぐ時に自分のミスでチェーンをつなぐピンを
使い果たしてしまった。

で、アディス中の自転車屋を探し回ったけれど、
あったのは１０速用のチェーンとピン、８速用のピンだけだった。
僕の自転車は９速なので、タスキにオビ状態。

仕方なく８速の太めのピンでチェーンをつないだけど、
これだといつまで持つかわからないので、
無人のトルカナ湖ルートを走るのは
やめた方がいいということなのかもな、と思った。

また別の話。
ヤヴェロという町までこいで、
そこは、直進すればモヤレルート、左折すればトルカナ湖ルート
という分岐点なのだけれど、
そこで随分迷った結果、トルカナ湖ルートに行くことを決めた。
で、その先は一月前に通った道だったのでジンカまではバスに乗って
移動することにした。

で、ジンカに着いたときに
いつのまにかカメラを盗まれたことに気づいて、
警察に保険用にポリスレポートをもらいに行くと、
「ジンカにくるまでに盗られたのなら、
それはヤヴェロの警察署の管轄だから、
戻ってそちらに行きなさい。」
と言う。

このアホが、と思う前に僕は
やっぱこっちの道に来るなという、
何かの暗示かなと思ったわけで。

さらに、トゥルミという、
国境まで100km、
もう辺境もいいところの、水も電気もない村の宿で日本人に会い、
「ケニア人はクリスマス前と正月前には、
普通の人も即席の強盗になるそうですよ。」
なんていうから、もう引き返したくなった。
このときは、
彼が先日亡くなった祖父からの使者に思えてならなかった。

後から考えると関係ないだろうと思えることだけど、
その時その状況では、そういう些細な一つ一つが
何かの意思を伝えているような気がして、
自転車は精神的な乗り物なので、
どうも不思議な世界を相手に交信しながら走っていた感がある。

そういや、
アディスアベバでYoutubeをダラダラと見ていたら、
ドラゴンボールの初代エンディングテーマを中川翔子が歌っていて、
「大人のふりしてあきらめちゃ、奇跡の謎など解けないよ〜」
と歌っていて、そうだそうだと思いつつ、
どうしてこれを今見ることになったのか気になった。
まぁ、あの顎の退化したアイドルは何もわかっていないと思うけど。

とにかく、
2時3時頃の道は焚き火の横を
ずっと歩いているようなもので、
休憩でまずすることは
火照った靴をぬぐことだ。

これっぽっちも報われない砂漠の道を押す作業。
ブログにかいたところで同じことだ。
この作業は何も変えてくれないけども
限りなく真っ当でまともで人間くさくて
ロマンチックで、11時間押して45kmすすむ。

歩いた方が早いっちゅうねん。
あまりにすすまないので
第一村人たちにおしてもらった。

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