アレッポ

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昼前にアレッポに到着したので、その足で
配達先のアレッポ大学に向かう。


差出人は神奈川で学校の先生をしている枝川さん。
彼女は僕の高校、大学の後輩。
6年前に大学内にある日本センターで日本語教師をしていた。
手紙はそのときの職場の仲間、秘書のバトゥールさん(女性)あて。
「アレッポ大学の前に行って、守衛か学生に聞けば
日本センターに連れて行ってくれます。
彼女は私の妹です、よろしく!」と、
超やさしい先輩だからって相当テキトーな依頼文。


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universityと書いてある看板を目当てに
市街地を進む。


大学らしき建物が見えてくる。
この辺かな?
手紙を見せて通行人に聞くと、
あっちだ、こっちだと教えてくれる。


大学の正門らしきところにつく。
「マルカズ・ヤバーニ(日本センター)はどこですか?」
と守衛さんに聞くと、
「タクシーに乗って行け」という。
どんだけ広い大学なんやろう。

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大回りして、マルカズ・ヤバーニのあたりの門に行き、
自転車で構内に入ろうとすると
「自転車はダメだ。」と
その小さな門の守衛。


「門の近くに置いてもダメ、中に入れるのもダメ。」
ほんなアホな。
もめていると、通りがかりのシリア人二人組みが
なにやら口論に混じって加勢してくれる。


結局、「行けよ。」というかんじで通れて、
晴れて大学内に入る。ありがとう加勢。


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それにしてもでかい大学や。
そして丘陵に建てられているので、階段が多い。
階段はこげません。
また、シリア人学生が手伝ってくれる。
おお、後輩の言ったとおりや。
皆が僕をそこに連れて行ってくれる。


「アレッポ大学 日本学術交流センター」
着いた。

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間違いない、ここや。


中に入ると、人気のないフロア。
秘書という看板のかかった部屋に行く。
スカーフをかぶった女性が一人、椅子に座っている。


ついに来た。




「バトゥールさんですか?」と聞くと
「いいえ」という。
あれ?

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事情説明すると、
「彼女はこの職場をやめて今はアレッポ市内のどこかにいます。」
「住所はわかりません。」


「でも、あなたを助けましょう。」
「彼女の電話番号を知っているので、今から電話してみます。」


ああ、ありがたい。何度かかけてみて、つながらず待っていると
バトゥールさんから電話がかかってくる。
「あなたに電話ですよ」と秘書さんに呼ばれる。


「もしもし、バトゥールさんですか?」
日本語が聞こえてくる。秘書の人が
詳細を事前に話してくれていたみたいで、
話がサクサク進む。声は快活なかんじ。
明日の2時に日本センターで待ち合わせすることになった。


さて。
せっかくきたので、センターにしばらく滞在。
続々とやってくる日本語を勉強している人達と話をする。
皆、働いたり、違う勉強をしつつ
このセンターに通っているんだとか。


きれいなシリアの女の子が、
「今日は授業があるので、時間が無いなんですけど
明日またお話しさせてください。」
なんか日本語話者というだけでひっぱりだこや。
いい所に来たなあ。

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翌日。
2時に再び、日本センターへ。
また来た、みたいな顔で守衛は苦笑い。


秘書室で待っていると
バトゥールさんから電話がかかってくる。
急用ができて、今日は来れなくなった、と。
ああぁ。


無理に会って手渡す必要はないんやないかな、と思った。
まあ、僕自身はここに来るまでが十分楽しかったわけで。
手紙は後輩からの「アレッポ手形」だったわけで。


でもなぁ、やっぱ会って、
あの手紙が開く瞬間と読んでいる顔を見たかったな。


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「そうですか、じゃあ手紙は今の秘書の人に渡しておきます。
暇なときに取りにきてください。」
「あぁそれと、枝川さんは来月結婚式があるのです。
なにかメッセージがありますか?」


久しぶりなのか、ぎこちない日本語で話すバトゥールさん。
よし、そのメッセージ確かに預かった。


電話を切り、
「残念でしたね。」と秘書さんと仲良くなった
日本センターの学生さん達。


この学生さんの中に、教え子がいるという。
あの人も枝川先生を知っています。
そういえばあの人も、と芋づる式にさがしあてて聞く。


「枝川先生ってどんな先生でしたか?」
と。
「エダガワセンセイ? オボエテマスヨー!」
「チイサクテ、ゲンキデ、ガンバッテイテ。」
「イツモゲンキデシタ。」って。


そして、ちょっとひらめいて
来月結婚式の君にビデオレター。



イヤースさんから。


シリアのネット環境じゃ遅くてアップロードが大変なので、
ズハさん、アミーナさん、後任のサカオカさん
バーセルさん、フィリップさん、スィラージュさんからの
ビデオレターは、CDかなんかに焼いて送ります。
お楽しみに。




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