スウェイラ
北に走り出す。死海まで5km。
向かい風が強い。
このあたりの風が全部集まっているよう。
フラットな道なのにスピードが出ないのがもどかしい。
辛抱の日やなあ。
そして死海の塩が飛んできているのか、
どうも目が痛い。
左側に現れたのが広大な塩田。
東南アジアのモッコで手作業の塩田と違い、
重機が行きかう近代的な設備。
道沿いにはベドウィンのテントが続く。
ヨルダン政府はテント生活をするベドウィンに
補助金をだしているそうで、
牧畜をやめて定住しはじめ家を作る余力はあるのに
補助金目当てでテント生活を続けるベドウィンがいるんだと。
テントの外には彼らの車がとまっている。
死海が見える。
海の際が白くみえるのは、
もしかして塩の塊か!とワクワクしたけれど
よーくみるとその白いのが動いているので波だとわかった。
ちゃんと波があるんやな。
死海沿いの崖っぷちを進んでいると、
おお、リカンベント(寝転がってこぐスタイルの自転車)と
ノーマルのMTBに乗った二人組みに遭遇する。
オランダ人のウィムさん親子。
息子がトルコでの留学を終えたのを機に
トルコーシリアーヨルダンーイスラエルを巡る旅行を始めたんだと。
「いい息子さんですね。」というと、
「うん、息子がこの旅行に招待してくれたんだよ。」と
ウィム氏は満面の笑み。
「オランダに来るならうちへ来なさい。」
着々とヨーロッパの滞在先を確保できて笑う僕。
リカンベントに乗らせてもらう。
ビーチにおいてある椅子に寝ているかんじで気持ちいい。
でもペダルまでの距離は本人用に調整されているので、
僕はこげない。
普通の自転車と違って、サドルを下げればいいってもんじゃないんや。
死海のほとりでテントを張る。
観光客ズレしたラクダ使いがウヨウヨしていて
どうも気分がよくない。
テントの中でメシを食べていたらネコが訪れる。
警戒していた心がなごむ。
ネコはいいなあ、ネコは。
深夜、また雨が降る。
フライシートをかけに裸で外に出る。
なんで裸になったのか、寝ぼけていて覚えていない。
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宿の人が今日か明日がムバラクの最後だと言っている。