ギザ


朝8時。
10℃以下やろう。息が白い。


宿を出ようとすると、
警官が親指と残りの4本の指を合わせるジェスチャー。
この意味を理解したのはつい最近。
「待て」という意味になる。


結局1時間外で待って、
まさかの護衛の警察車両が到着。


その車を追って郊外に走り出ると、
思ったとおり、
時速20kmのトロトロ走行に痺れをきらして、
「車に自転車を積んでもいいか?」
と聞いてくる。


好きにしてください。
で、30kmほど車で走って何もないところで
降ろされる。「ギザへは真っ直ぐだ。」と。


そこから自走。
地図を見ると、この近く左側にピラミッドがあるはず
だけどなーと
道路の反対側をチラチラみていると、
屈折型のピラミッドが見えたような気がした。


錯覚かなあ、と
見えたあたりは今は建物とヤシの木に隠れて見えず、
そのまま走ると、今度は確かに見えた。
4、5km向こうのもやの先に印象的な形が。


いてもたってもいられず、そこから道路と線路をまたいで
西に向かって進むと、どうしようもない悪臭の立ち込める
下町に迷い込んでしまい、目立つ僕は
ガキどもの格好の標的になった。
逃げるラピュタのドーラ一家みたいに、2階から
笑いながら投げられる棒切れ、石。
このくそったれが。


早くこっちに来い、とおっちゃんに誘導されて
抜け出した広場で
「ピラミッドに行きたいんですが」と
英語で聞いたけど通じない。
ああ、ピラミッドって英語なんや。。。


地面に三角形書いたり、断面図書いたり、
何やっても理解してくれない。
「ファラオ!」「ミイラ!」「ピラミッドー!」
手を胸の前で結んでミイラの真似をして。
大きな三角を走りながら手で描く。
それでもわかってくれない。
お願いだからそんなまじめな顔をしないで。
なんやこっちがアホみたいやないか。




結局、その屈折ピラミッドを見るのはあきらめて
三大ピラミッドのあるギザに向かう。


カイロに程近いギザまであと5kmのところから
一気に町並みが近代的になる。
首都に近づいてくる雰囲気や。


「ピラミッドはどこですか?」
ここらの人はかろうじて英語がわかる。
「あっち」「こっち」「あっち」


ああ、
英語がわかるからといって、その指図が正確とは言えない。
高架が混じって複雑になった道を
迷ってウロウロしていると夕方になった。
あー日没前には見たいなあ、ピラミッド。


と自分の地図とコンパスを頼りに進んでいると、
誰の助言よりも確かな、その頂上の三角形が
パッと左側に現れた。
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あとはその方向に進むだけ。


しばらく建物の影に隠れていたピラミッドが
残り数キロのところでまた姿を現す。
思いもしないところにいきなり現れ、
思わずのけぞった。
でかい。
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(写真では、小さいけれど)


すぐに今晩の寝床探し。
少し戻ったところにあるキャンプ場でテントを張ることにした。
とーおくにピラミッドが見えるキャンプ場。
気づけば久々に警察のいない夜や。



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