バレリー

朝、シャッターをガラガラッとあける音で目覚めた。
ああ、雨が降っている。


軒下に落ちる水滴を見ながら
面倒くさいな、とボーっとしていると。
チャイとパンが運ばれてくる。



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ヴィッシュワカルマ氏が庭の木から
「熟れている」とグアバをもいでくれた。


庭に無造作になっている果物を食べさせてくれる。
これは最高にうれしい。


トイレは道路の向かいのサトウキビ畑の中で。
雨の中といえど、
朝もやのなか、涼しい空気にケツを突き出してするウンコは
これも最高だと思う。


1時間も待たないうちに晴れてきたので出発。
お礼にチベットで買った数珠を召使の少年に渡した。
お礼にお金を渡すと嫌な顔をする人だと
直感的に思ったから。
別れるときに微笑んでいたので正解だったと思う。


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デリーまであと300km。
まだまだサトウキビ畑が続く田舎。
でも街がある間隔がどんどん狭くなっていくのがわかる。



北西に向かい始めてからずっと向かい風。
もやの中の夕焼けはいつもきれいだから
日が沈む頃は走るようにしている。
この時間は毎日でも走っていたい。
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いくら人が多くても
インドは広くて
地平線間際まで太陽をみることができる。
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