シャージャハーンプル
何事もなく朝を迎えた。
ダーバーに基本的にトイレはない。
裏手の畑にペットボトルに水を持っていって
用を足す。
あちこちに人間の臭い大便が落ちている。
牛、山羊の糞は全然匂わないのに、どうも
雑食動物のうんこはいかん。
このところ、三食ダーバーのインド定食ターリーを
食べていて、その米の量が半端ではないので
ウンコの大きさが牛並みだ。
ちなみにポカラを出て以来ベジタリアン生活なので
なんとなく臭くない。
感じの悪いダーバーだったおかげで朝の出だしが早かった。
12時前にもう60km走った、あー今日は余裕やと思って
チャイ屋、お菓子屋で駄弁りながらゆっくり進んでいると
あっという間に日暮れ。結局目的地につけなかった。
今日もテント泊決定。
6時過ぎの暗い道を走っていると
「この先25キロ走らないと街はないよ」と
走りながら自転車のおっちゃん。
「すぐそこに家がある。泊まっていきなさい。」
「飯がまだならうちで食べればいいし、ベッドもある。」
この国では走っているときの追走、並走が多くて
しつこい自転車・バイクの並走にはゲンナリすることがある。
好奇心の塊が横を走っているようなもので、
とにかく質問の嵐。
このおっちゃんにも例外なく僕はゲンナリし、
「何言ってるかわからない。行ってくれ。」
と答えるのだけど、
道路工事中でガタガタかつ
荒い運転のインドトラックの並走にもまたゲンナリして
とりあえずおっちゃんの家で休憩することにした。
「ドクター・ヴィッシュワカルマだ。よろしく。」
町医者をやっているらしい。
でも家はとても質素で、奥さんと召使の3人暮らし。
子供は州都のラクノウでMBA資格を取るための学校にいっている。
休憩だけだよと言っているのに、ベッドを出してきて
今は使っていない店子のガレージを空けて
即席の僕の部屋にしてくれた。
これなら、戸締りできるし安心。
ということで今晩はここで寝ることにした。
店の隅に小窓があって、ときおり
その向こうで人影が動くのでなんだろうと
思っていたら、その向こうの暗闇から奥さんが
ヌッと顔を出して
「ご飯を食べなさい。」と言う。
小窓で母屋とつながっているんや。
刑務所みたい。
停電の暗闇の中
ケロシンランプで
米とダール、野菜カレーの食事をいただく。
食べ終わったらチャイがでてくる。
警戒していた心がほぐれていく。
敷布団は不潔そうだったので
マットと寝袋で寝ると言っても
「それじゃあきっと寒いから」と
掛布団もくれた。ああ。南京虫。
こうなったらいちかばちかだ。
ポカラで日本人からもらった
オーストラリア製のブッシュマンという
超強力な虫除け(ディート80%)を体に塗りたくって横になる。
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