シータープル


蚊取り線香を4本同時に焚いて寝たら
体調が悪くなった。


インドの蚊取り線香は、なんだってこんなに品質が悪いんだろう。
4本焚いても平気で蚊が壁にとまっている。
人間の方のダメージがでかいなんて。


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朝7時。
夜明け間もない街を歩いて
ラーマ生誕地に向かう。
どんどん警備が物物しくなって、
神聖な場所が近づいてくるのがわかる。


「待て。」とやたら偉そうな人に呼び止められる。
「パスポート。」とパスポートを取り上げられる。
「ノープロブレム。私は政府の人間だ。」


まわりに警察官がいっぱいいるから嘘ではないんだろうな。
カメラは持ち込み禁止。
検問でタバコ、ライター、ペンを取り上げられる。
でも咬みタバコは口に含んで入場するのはかまわない。


周りのインド人と同じように、クチャクチャ、ぺーっと
咬みタバコで真っ赤になったつばを吐きながら
最も神聖な場所に向かう。
役人のおっちゃんと僕は特別待遇で列を割ってどんどん進む。


遊園地の列を整理する柵。
あれみたいなのをずーっと歩く。
兵士が何回もボディチェックをする。
女性のボディチェックは囲いの中で女性兵士によってされている。
お国柄だなあ。


柵越しに生誕地を見る。
遠くの小屋の中に花や金ぴかの布を供えられたなにかがある。


役「ここが一番神聖な場所だ。」
役「ちゃんと見たか?」
僕「見たけど、目が悪いので何かわかりません。」
役「ノープロブレム。さあ、行こう。」


役人のおっちゃん。かなり急ぎ足で僕を
その場から去らせようとする。
やっぱ異教徒、異邦人には敏感な場所なんだ。


帰りの柵の道の中、
おっちゃんが軽く他の参拝客に話をしていると思ったら
急に真剣な顔になって
「君はここで待て。」と僕を傍で待たせて
さっきつかまえた二人の参拝客を
厳しい口調で尋問している。


銃を担いだ兵士も数人やってきて物々しい。
異教徒を発見したんだろうか。


尋問が終わり
「さあ、行こう。」とおっちゃん。
最後は笑顔になって
ゲートの外に僕を送り出した。


昼前にアヨディヤを去る。
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シータープルという街に着きたかったけれど、時間切れ。
夕暮れ時、バイクに乗った警官に
「どこで泊まるつもりだ?」と話しかけられ、
ダーバーの裏でテントを張ります、というと
「知り合いのダーバーに連れていってやる。」と。


「あ、ポリスの旦那。何用で。サー」
とヘーコラでてきたダーバーのオーナー
「へい、もちろん24時間営業で。
ご存知じゃありませんか、サー。」
警「はは、そうであったな。」
警「ところで、このジャーパーニーが…」


と内緒話をしだす。
なんだか気になる。


警「じゃあ、私はこれで。
でも1時間パトロールをしてまた戻ってくるから。」
と警官は去る。


体を洗い、ダーバーで飯を食べ終わり
勘定を頼むと一食150ルピー。
場末のレストランでこの値段は高い。
ぼったくりだ。
完全に油断していて食べる前に値段を聞いていなかった。
「高い!詐欺をするつもりか?」というと


僕から離れていって従業員同士でなにやら
コソコソ話している。感じが悪い連中だ。


で、その勘定の話はどこへやら
「寝るときは、ここの電気を消してあげよう。」
と戻ってきた従業員が話すので
「勘定は結局どういう結論なんだ?」というと、
「150ルピー」という。
「どういう内訳なのか、書いて持ってきて欲しい。」というと、
また従業員同士でコソコソ話をして、
帰ってきて違う話でごまかそうとする。
大声で話すのが普通の国で、ヒソヒソ話されると
なおさら気味が悪い。


夜中だし、それにたかだか300円の話だと納得して払うが、
もうこうなったら、誰も信じない。
さっきの警官も行ったまんま帰ってこない。

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念のために
財布の中身をバッグに分散させて横になる。


警戒心が勝って、テントの中では全く眠れなかった。
そもそも警官であっても、話しかけてきた人について行くというのが
まずかった。


今日は「負け」だ。
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