六徳

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ひひひ。別に笑っているわけではなくて、
走っている最中にこのあたりの地形は
どの平仮名の形に似ているだろうと考えたら
[ひ]が妥当だった。急激にのぼって、急激にくだる。
決して[へへへ]ではない。


暖かい高度までくだると、ひまわりが咲き乱れていた。
[ひ]を巡るから、ひまわり、か。


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そんな語呂合わせをしていると山のぼりも暇ではない。


外国人などめったに立ち寄らないであろう、田舎の村。
宿で日本人ですというと、顔がほころんで
たき火のそばにイスを用意してくれる。


陶製の桶に炭をくべたそまつなもの。
北京や東北地方では[日本人]はリーベンレンと、
リーに近い発音だったけれど、ここいらではズーベンレンと発音する。
なんかカッコ悪い。ズーズー弁みたいだ。


そんなふうにとても訛った普通語で
皆が何を話しているか分からないけれど、
火を見ているだけで気分がよい。



冬の中国で、夕暮れに何を買うでもなく商店をのぞきこむと
よくこう言われる。
[烤火(カオフォア)。](まあ、火に当たれよ。)


シンプルでいい言葉。


とにもかくにも今日のキーワードは[ひ]である。

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