お遍路の静かに去っていく桜 - 自転車世界一周配達日誌archives

十八日目。

1週間の壁を越えた。

鬱と不安のミクスチュアがどれだけ醜いかなんて
所詮、常人にはわかるわけがないのだけれど、その中での達成。
この喜びは共感してもらえるだろうか。

さて、夜ひっきりなしに響いた車の騒音に嫌気がさして、
起きるとすぐに海の近くに移動した。

岩猫。
近づくと、岩のなかに消える。

朝食食べて
こいつらと9時ぐらいまであそんでいたら、
歩いていて気分が悪くなってきた。

熱中症気味。
近くの駅のトイレで食べた物をすべてもどした。

そのあとものすごい脱力感と抑鬱感に襲われたのは、
なぜだかだいたいわかる。
明日、通院のために徳島に戻ることになっている安心感が
心の深いところでなんか作用していて。

今日も暑い。
気分転換に日本で2番目に小さい町という赤岡町で
絵金蔵という施設を見学する。

クーラーの効いた屋内でしばらく絵をみていると
体が楽になった。

ようやく
28番大日寺に着いたのが2時。
いつものようにぼーっとすると3時。

次の寺までは8km
納経所は5時まで。
2時間で8kmは今の僕にとって、ぎりぎりの線。
でも、なんだか頑張りたくなって、出発した。

暑い。
ずっとつづく農道は逃げ場がなく、
ビニールハウスの横を通ると熱風が吹きつける。

休むことなく歩いて
29番国分寺に5時ちょうどについて
先に納経を済ませた。

疲れ果てて、お経をあげる元気もわかずベンチでへたっていると
いきなり、後ろでゴーンと大音響。

自動で6時の鐘が突かれる仕組みになっているらしく。

境内にある印象的な句碑
「お遍路の静かに去っていく桜」

悲哀口にせず、名を名乗らず、一か所にとどまらず
ただ寺を巡ることだけで救われる遍路の
潔い後ろ姿が目に浮かぶ。
気に入って、この後もよく思い返した。
今改めてブログ読み返すと愚痴ばっかりだときづくけれど。

僕も夕暮れの寺をひっそり出て
今日の寝床へ向かった。

本日の歩数
32571歩
トータル
591528歩