プレトリア


まったく予想していなかったことだけれど、
南アフリカの黒人は暗い。


ボツワナから国境を越え、道端で車を待っているらしい
老女にハローと声をかけたけれど、返事が返ってこなかった。
ザンビアボツワナなら老人は誰でも顔をクシャクシャにして
微笑んで返事をくれるのに。


次に会った、若い男も同様。
20歳手前ぐらいの男なんてどこの国でもうっとおしいぐらいに
元気があるのに。異様。


プレトリアまで150km、マーブルホールという小さな町で、
宿を探していると、バイクに乗った白人がどこに行きたいんだ?と
先導して宿に連れて行ってくれた。
見るからに高そうな宿だったので、
「もう少し安そうなところを知らないですか?」
というと、
「この辺りの宿はだいたい同じ値段だけど、町の中心には
安い宿があるよ。でも、黒人が多いからなぁ、荷物が大事なら
こっちがいい。」
とのこと。


あからさまやなあ、
この半年、黒人ばっかりの国を旅行してきている僕に
なんてことを。


でも、ここの黒人達がよその国とは違うのは明らかで
なんか暗くて近寄りがたい。猜疑心が強いんだろうか。
つい20年前まで虐げられてきた人たちだからなあ。



リンポポ州はとくに黒人居住率が高くて97%が黒人
というのもあるけれど、
疲れていて、誰とも話したくないオーラを出しているのに
話しかけてくるのは黒人。
「チュンチャンチョン!」とアジア人を
馬鹿にしてくるのは、決まって黒人。
自転車が避けるもんだろう、と突進してくる
危なっかしい車のドライバーを見ると必ず黒人。
でも、道路を歩いているのも黒人。
レストランに入って、スーパーに入って、
会話するのも道を聞いて教えてくれるのもいつも黒人。
避けていたらやっていけない。


そして、白人達はどうかというと、
数字の上では2%いるはずなのに、全く会わない。
有刺鉄線で囲まれた安全な場所から
別の有刺鉄線で囲まれた安全な場所に車で安全に移動し、
自転車旅行者の前にはなかなか姿を現さない。
そういう印象。

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(治安の悪い地域のファーストフード店、
店もカウンターも鉄格子で囲われている。)


ある日、
黒人の女の人と握手をした後で、その人がなにか叫んだので
近くにいた青年に「今の女の人がなんて言ったか訳して」というと、
「私、白人にさわっちゃったーって言ってたよ。」
だった。


ケープタウンとか行くと違うかもしれないけれど、
少なくともこの辺りは、相互不信な雰囲気があり、
不用意に馴れ馴れしく道を聞いたりすると、
何だこの非黒人、みたいな目で見る人もいる。


プレトリアにきて、小学校で黒人、白人の子供が一緒に
遊んでいるのをみて、なんかホッとした。


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