ポロクワネ

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どこまでも真っ直ぐな道。これが南アか。
遠かったなぁ。


南アフリカでの手紙配達は3通。
どれもリンポポ州の州都ポロクワネ周辺。
依頼人のコーイチさんは5年前に
ここで働いていて、受取人はその時の現地スタッフと
プロジェクトに関わった農家の人。

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一通目は、現地スタッフのジョルジーナさん
(前列赤い服の人)。
書かれてある住所の、その町までたどり着く。
そして、ここからはいつものように運次第。


通りすがりの人に、ジョルジーナ・マナメーラさんを知っていますか?
と聞くと、
「知らない。でも、その人を探すならいい方法があるよ。」
「近くにコミュニティラジオの放送局があるからそこに行って
ラジオを使って呼び出してもらえばいい。」


ほう、それもおもしろいなぁ
とラジオ局に行くと
「あなたはジョルジーナさんという方に危害を加えるつもりでは
ありませんね?」と念を押され、
マイクの前に座る。


「じゃあ、自己紹介してこれを読んで」
「I'm Hiroki Shinomiya, cycling from Japan.
You are listening to Moletje Community Radio, 98.6MHz」


言い終わると、
「ありがとう!!!」
と言われて収録終わり。
え、こんな収録しに来たんじゃないんですけど。
まぁそもそも期待してないからいいっす。
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気を取り直して
一つ先の交差点に移動して聞くと、
集まってきた人の中に、
ジョルジーナさんを知っているという高校生がいた。


彼女の指す方向に進み、
角を曲がり、
それらしき場所に着き、
「ジョルジーナさんの家はここですか?」
と聞くと
「はい」
という隣人。


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で、家。
鍵がかかっていて入れない。
待つこと1時間、
学校が終わった彼女の息子と娘が現れて、家に入れてもらえた。
さらに3時間ほど待って、夕方
旦那さんと一緒にジョルジーナさんは帰ってきた。


驚くジョルジーナさんにいろいろと経緯を説明して、
さっそく手紙を開けてもらう。


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「今の感情を説明できません。」
と彼女は目を潤ませて言い、
ああ、とお互い黙っていると
大柄な旦那さんに
「ちょっと外に行きましょう」
と車に案内されて、
今からどこに行くんだろう
と、ドキドキ連れていってもらえたのが
薄暗い超ディープな酒場。
ビールのボトルがでかいのである。

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で、ベロンベロン後、
二日酔いになり、
ジョルジーナさん宅で二泊お世話になった。
情けなや。


2通目は、ジョルジーナさんの家から100km南東、
こちらも現地スタッフとして一緒に働いたドリスさん宛て。


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(左端の人がドリスさん)


ドリスさんは、界隈の農民に有名な人らしく
すぐに家の場所がわかった。
が、彼女は結婚して違う村に移ったらしく
家にいた親類の人に電話してもらい、来てもらった。
「ははは、日本人が来るかもしれないとジョルジーナから
聞いていたけれど、自転車でとは想像してなかったわ。」


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「コイチは私の昔のボスよ。」
「コイチはねー、歌うのと踊るのが好きで、
オフィスよりもフィールドの方が好きで、
農家の皆や子供と仲良くしていたよ。」
「コイチと一緒に立ち上げたパン焼きプロジェクトはうまく
いっていて、今は設備も大きくなったし、他にも数カ所の
ベーカリーができたのよ。」


で、コイチとの思い出はやっぱ
歌っていた彼、とのことなので。
その思い出の曲を歌ってもらった。



Modimo o re file
Sebakanyana se le
Motsotsoyana wo…


この簡単なフレーズを繰り返すの、と
歌詞をノートに書いてくれた。


今、うまい日本語訳はないかとネットで調べていたら、
2005年、赴任時のコーイチさん本人のブログを発見した。
http://blog.goo.ne.jp/thanx7777/e/c0fd89aff697a3f3718f1adb62db84bc

以下、ブログから抜粋
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ちなみに、歌詞からの直接的な意味は、
「神様が 私たちに この機会と この瞬間を 与えてくださった」
ですが、
本当に意味するところは、
「その与えてくださった機会で学んだことを、ぜひ活用しましょう」
だそうです。

パン焼き講習の終わりに、なんてぴったしの歌だ、と感動しまくった源でした。
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僕の最後にもぴったしの歌ですよ。


さて、3通目をドリスさんに見せると、
「その住所は間違ってはいないけど、
もうクラースはそこにはいないよ。」とのこと。


受取人のクラースさんは
僕が旅行している間に交通事故で亡くなってしまったらしい。
まぁそのことは、少し前にコーイチさんから聞いていたのだけれど。
でも、コーイチさんと相談して家族宛てに届けてみようという試み。
次がラストレター、である。
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