ユトレヒト

自転車王国オランダ。どこまでも平らな道と牛。
上の写真はポイ捨て用のネット。走りながらペットボトルなんかを
捨てられるように、道の脇に設置されてある。

老いも若きも、とにかく皆自転車。ベビーカーも自転車で牽引、
物心つく前から人は自転車乗りになるように調教されている。

ユトレヒトで人に会う約束をしていたので、遅れないようにと
時速30kmキープ、脳が酸欠になってフワフワしながら急いでいたら、
「手伝ってあげようか？」とロードバイクの男が僕の風除けになって、
数キロ走ってくれた。その彼が「じゃあ俺はこっちの道だから」と去ると
「じゃあ次は俺が。ついて来い！」と、また別の人が。
感動的な連係プレーで、
速い、速い、あっという間にユトレヒトに着いた。

なんの障害物もない自転車道を颯爽と走る自転車人の世界、
とても気持ちがいい。

この日は午後に出発して160kmこいだ（自己タイ記録）。
まともに走っていたら、200kmは余裕で超えていたろうな。
あーあ。

オランダ人ライツァ
彼とは2年前の韓国で会い、「ユトレヒトには君の家があることを
忘れないように」と嬉しいメールをくれていて。
そして2年ぶりの再会。まぁユトレヒトには彼に会いに来たわけで。
文化人類学者の彼は東アジア贔屓で、
ウェルカムフードは手製のキンパプ（韓国海苔巻き）だった。
「オランダ料理ってものはないんだよ。強いて言えばチーズかなぁ。」
家は文化人類学者同士でシェアしていて、専攻地域のへんてこりんな
置物がたくさんあって、見ていて飽きなかった。
最後はアムステルダムに行く道の途中まで一緒にサイクリングした。

オランダ人クーン
ライツァの友達。アムステルダムでお寿司をごちそうになった。
彼の身長は190cm、もちろん高い方だけど巨人の国オランダでは
このぐらいの人はざらにいる。
牛乳を子供の頃に一日2リットル飲んでいて、
それで大きくなったんだと。
「僕の母親は牛かも知れないよ。」
彼も同じく、「オランダ料理？　チーズ、ポテト。うーん」
「徳島名物？　すだち、ワカメ。うーん」

日本人ツリーオブライフさん（仮名）
このブログにコメントをいただいていたので、
あつかましくの夕食（スリナム料理）をごちそうになった。
旧オランダ領のスリナム、その料理の味は中華とインドネシア料理が
混ざったような、不思議な味。
まぁその店のコックが中国人だったというのも関係するんだろうけど。

僕の話を楽しそうに聞いてくれたのが印象的。
オランダ在住なんと11年。こういう方と話すと短期間の滞在でも
その国の知識があっという間に増えて、見るものが途端に
意味深くなるんだなぁ。
彼女のウェブサイトはこちら。
http://treetubaki.exblog.jp/

日本人堀さん
就活時代の友人。
ベルギーのブリュッセルで会った。
日本の食べ物や本をたくさん持ってきてくれた。
就職活動時の恩人からの「あり難い」お手紙も一緒に。
彼女がくれた江國香織のハードカバー本はクソ重くて
今イライラしているけれど、でも、ほんといろいろありがとう。

彼女の日程に合わす為にアムステルダムーブリュッセル間は
鉄道を使ったのだけれど、3日前予約の格安チケットをライツァが
発見してくれた。たったの26ユーロ（人14ユーロ、自転車12ユーロ）。
オランダの列車にはちゃんと自転車用のスペースがあって、その脇に
持ち主が座る場所もある。

ベルギー人ヤニックとそのシェアメイト達
ブリュッセルに着いて、土地勘なくウロウロしていたら
スリランカまで自転車旅行をしたことがあるヤニックが声を掛けてくれた。
「サイクリストにとって、大都会がどれだけ過ごしにくいところか、
僕はよくわかっているんで。」と。
30歳前後の友人とアパートをシェアしていて、空いている部屋に泊めてくれた。
ベルギーはオランダ以上に移民が多いように思えて、
実際に彼の親はデンマーク人で、シェアメイト達もイタリア、ポルトガル、ポーランドと
さまざまな国籍を持っている。
で、誘われた「ビールを飲む会」は、もっとすごかった。
アフガニスタン系デンマーク人系ベルギー人、アフリカのチャド系ベルギー人。
もう、顔からは国籍を判別できないようになっている。

ベルギー人ヘルマン
ゲールという街の近く、夕暮れ時に森を探す挙動不審な僕を
家に泊めてくれた。彼もサイクリスト。
毎年、休暇を使って2、3週間ずつ世界を回っている。
そういうことが日本でもできたらいいんだけど。

あぁ、これで全員かな。
道すがら、自転車乗る人とよく話しているので、もっといる気がする。

あぁ、そうだ。バックパッカーに飽きてオランダで自転車を買い、
サイクリングを始めて3日のダイスケ君。
ブリュッセル郊外で会う。

「なーんか、チャリダーって孤独っすね。」
そうやね、孤独やね。でも、気づいてみたらほんまに
たくさんの人に出会って、助けられているねぇ。

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