グリヴィツェ
アウシュビッツ強制収容所から60km西にあるグリヴィツェ。
最近、雨ばかりでちっとも進まない。
ハンガリー、デブレツェンでの配達がうまくいかなかったので
今回はあまり期待せずに配達先に向かった。
ヨシトミ君は大学時代の友人で、
手紙は彼が学生時代にお世話になったポーランド人の教授、
クワシュニュースキー氏宛て。
僕がシンガポールに着いたときにちょうどヨシトミ君は
現地に赴任していたので数日お世話になった。
「もうだいぶお歳で退官されているかもしれないから届けなくてもいいよ。」
と彼は気を遣って言ったけれど、
もしポーランドまで行けて、それで手紙を持っていなかったら後悔するだろうな
と思って持っていた。
住所どおりの場所にたどり着き、それらしき大学の建物に入り、
受付の人にこの教授の部屋の場所を聞いてみると、
案の定ポーランド語しか解せないようで、
ああ、らちがあかないわね、といった様子で部屋の番号を書いてくれて
エレベーター前まで連れて行ってくれる。
今は学生の夏休み期間で、校舎にはほとんど人がいない。
2階にあがると、長い廊下にズラッと並ぶ教授室。
その突き当たりの一番端に部屋はあって。
部屋をノックしてみるけど、反応がなく。
ああ、やっぱ今日は出勤日じゃないのかなと、
ドアに貼られた小さな教授のスケジュール表を
ポーランド語辞書を引きながら、
たぶんこれがワーキングアワーで、と見当ををつけていっていると、
中から携帯の着信音が聞こえてくる。
携帯を置き忘れていっているってことは、大学内にはいるかも!
と思い、しばらく廊下のベンチで待つことにする。
静かな廊下。ヨシトミ君もこの場所を知っているんだなぁ。
待つこと数分、
長い廊下の向こう端から大柄な、でも明らかに教授風の人が歩いてくる。
もしかしてと、淡い期待。
彼はそのまま僕の前を通り過ぎ、
最後は感動的なカーブを描いて
クワシュニュースキー氏の教授室のドアの前に立った。
あぁ、
僕は駆け寄って「あなたはクワシュニュースキー氏ですか?」
と聞くと
「はい」と教授はいい、怪訝そうな顔。
手紙の裏側に書いてある、ヨシトミ君の名を見せて
「彼を知っていますか?これは彼からの手紙で、僕は彼の友人です。」
教授は
「彼なら覚えていますよ。」と微笑んで
「まぁ、中に入って椅子に座りましょう。」と。
「彼は数週間、ここにいただけだけれど、とても印象に残っている。
彼の先生が私の古い友人だし、あと、研究室のホームページに
彼の写真を使っているからね。」と。
そのHP↓写真に出てくる目つきの悪い日本人がヨシトミ君。
http://www.dydaktyka.polsl.pl/lms/default.htm
手紙を開ける教授。
「彼は手紙の中で、シンガポールにこれから行くと言ってあるけれど、
そのシンガポールの彼に君は会ってきたわけだ。信じられない話だ。」
あと、
長いこと、壊さずに持っておくのに苦労した筆ペンと写楽のファイル
を渡す。
「うむ、ペンですね。」とそっけなかったので、
「いえ、これはペンではなくて日本の伝統的なブラシなのです。」
と、僕とヨシトミ君の名前を書いて見せてあげると、
「これはいい記念だ。」
と喜んでくれた。
仕事中にあまり長居するのもよくないな、と思って教授室をでてお別れ。
しかしあぁ、なんだろうなぁ、この充実感。
実際に受取人に会えるだけで、こうも違うなんて。
長い廊下を歩いて、さっきの受付のおばちゃんに
ジェスチャーで「うまくいったよ」と合図すると、
おばちゃんはなんのこっちゃわかってないだろうけど、
「うまくいったのね」とジャスチャーの真似をして笑い。
まぁ、なんとも嬉しくて清々しい。
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