テヘラン

カスピ海と首都テヘランの間には
アルボルズ山脈があって、これがけっこう高く、
峠まで標高差2700mを一気に駆け上がる。


「標高とか時速とか、数字じゃどうも伝わらん。」
と詩人に言われてから、まぁ言われる前からも
間違いなくこれを読んでいる人は標高なんてどうでもいいとは
知っていて癪だったけれど、まぁ疲れたことも自慢したいのである。


あらためて、山登り中何を考えているか気にしてみると、
どういうわけか頭は単純な掛け算、割り算ばかり
していて、妙な数字トランス状態。どおりで数字が日誌に出てくるわけや。
「今の1時間で標高が250mあがった、ってことは
日没までのあと5時間で1250mあげられる。頂上まであと50kmだから、
時速8kmで行くと6時間と少し。でもこの勾配がずっと続くとは思えないから
なんたらかんたら。ああ、いつのまにか50m登った。今の50mはipodの曲
1曲分だから3.5分ぐらいということは、ああ、分速の計算わからんな。
あれ、まださっきから20mしかあがってないか。」


そして、そういう頭で現地の人に
せっせと覚えた数字単語をならべて距離や標高を聞いても、
正しい返事が返ってきたためしがない。
なので、3人に聞いて3で÷とだいたい正しくなる。
自分だって、実家近くから駅までの距離を突然聞かれても
正しく答えられる自信はまったくないけど。
よほどの速度距離標高バカじゃないとサイクリストの質問には答えられない。


ただ、もうどうせなら「分からない」と
言ってくれたほうがありがたいと思うことがよくある。
「この先の道はもう、まっ平ら。フラットだ。」
こういう時はだいたい、フラットじゃない。
「この先は景色がとてもきれいだ。」
こういう景色もだいたいきれいじゃない。
この山道を1m1m作っていったかつての労働者達とはいい話ができるように思う。
容易にフラットとかきれいだとか言わないはずだから。



テヘランに着いてすぐに自転車屋に行った。
テヘランではXTグレードが日本並みの価格で手に入ると聞いていたから。
シフターの故障は直せず、新品に交換。
変速できないので強引に立ちこぎを続けたせいで、
ペダルの軸であるB.Bもガタが出て交換。
無理なギアの組み合わせで走ったせいでチェーンが伸びてしまい交換。
ついでに、ボロボロになっていたグリップとサドル、
前々から不満があったブレーキレバーもついでに交換。


へんこつとポンコツの話。

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