6月のサイクリスト

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クアラルンプールの北50kmあたりで
出会ったインドネシア人サイクリスト、アサリとヨハン


ラオスから南下中。
リヤに大きなバッグひとつだけの軽装なので
一日150〜200km進むものすごいハイペース。


かぶっているのはパンストとTシャツだ。
ハンドルバーに竹をくくりつけて
いくつものポジションをとれるようにしていた。
ちなみにインドネシアもマレー人の国なので、
だいたいの単語がマレー語と同じ。
マレーシアは楽に旅行ができるそう。
そういや、マレー語にはヒンディ語(僕の大学時代の専攻語)と同じ発音の単語が多い。
マーフ(ごめんなさい)
ドゥニア(世界)とか。
会話で出てくるとなんか嬉しくなってしまう。



僕はインドネシアでスプロケットをはじめ、このごろ

ガタが出てきた駆動系を新調しようと思っているけれど、
彼らの装備はshimanoXTやXTRでかためられていたので、
インドネシアショップはかなり期待できると思う。

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オーストラリア人バリー。なんと68歳。


クアラルンプールの北200km、イポーのYMCAで
出会った。
フレームだけオーストラリアで買って
あとのパーツはマレーシアで揃えたそう。


「物事を成し遂げる唯一の方法、それはあきらめないことだ。」


英語で言われると、なかなかにジーンときます。



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オランダ人ヤン(写真真ん中)
彼とは1週間ほどペアランした。

バンコクを出てすぐに出会った。
数日前まで日本を走っていたそうで、
日本人の「ガイジン」に対する優しさは素晴らしいって言っていた。


自転車旅行をしながら
国境なき医師団のエンジニアとして働いていて
いつでも要請があれば、現地に飛ぶんだそうで
現に数日前から彼はハイチにいる。


ある日、エビとカニが安く手に入ったので
浜で火をおこして焼いて食べようという話になった。
結局、夕方から雨が降って、それなら
彼の持っているコンロで鍋をつくろうということで、
袋からエビとカニを取り出すと、活きがよくてまだ
動いている。
「ヒロ、お願いがあるんだけど、そのエビを
その、クリーニングしてくれないか?」
え?
「動物の頭は食べられないから、取ってほしい。」
「あと、足も尻尾もいらない、身だけでいい。」
じゃあ、カニはどうする?
「まだ生きているものを殺せない。僕が食べるやつは逃がす。」
「僕の国だけじゃなくて、ヨーロッパはだいたい
生きているものを食べることは野蛮なことだと考えられているんだ。」
じゃあ、僕が潮干狩りで貝を拾ってきたら食べないの?
「なんで生きているものを食べる必要がある?」



ひどいカルチャーショックだった。
夜中、彼がテントを張って寝ている横で
火をおこして、カニを焼いて食べた。
バーバリアンやなあ、俺って思いながら。


しかし、彼のおかげでタイのマレー半島東岸は
ゆったりとした、毎晩焚き火とビールの最高の日々やった。


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日本人小口良平さん
前からネット上ではやりとりをしていたけれど
バンコクの自転車屋で偶然出会った。
一緒にいた韓国人サイクリスト二人もいっしょに
記念撮影。


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彼は7年計画で世界を回っている。
確か今、16ヶ月目。オセアニアから旅行を始めて、
ちょうど僕と反対方向、中国に向かっている。
インドネシアで事故にあって前歯を二本失い、
バンコクでは腸チフスに、と最近は散々な日々
だったそう。


後日、
つい1週間前までタイ暴動の赤シャツ隊がたてこもっていた
ルンピニー公園のフェンスによりかかって、7時間。
尽きることのない邦人サイクリスト同士の話。


なんでもいいからとにかく話がしたかった。