シラチャ3
「バンコクが落ち着くまで、ここに泊まっていったら?」
と願ってもないブンダリクさんの言葉に甘えて
しばらくシティホテルに滞在している。
シラチャ市内をぐるっと回った。
日本人駐在員相手の飲み屋と怪しいマッサージ店だらけだ。
現地と日本の板ばさみで大変な仕事なんだろうけど、そのストレスが
日本語の怪しい看板となって現れて、どう見ても異様な街並みだ。
駐在員って通常の給料に加えて、駐在手当て、
運転手つきの車が会社から支給される。
物価が安いタイだからお金が余り、それで
多くの人がタイ人の奥様を雇うそうだ。なんかバブリー、
そんな世界があったんやね。
「暇なら、島に行くといいですよ。船に自転車ものせられます。」
シラチャ沖の小さな島に船でわたると、そこは立派なリゾートで
「奥様」連れの日本人、欧米人がわんさかいた。
なんなんだここ。
実際にそういう人達を目の当たりにすると、
むしゃくしゃしてきて2年ぶりに海水浴、解禁じゃ。
溺れて以来、二度と海でなんか泳ぐもんかと思っていたけれど
案外もろい決意だった。
へとへとになるまで泳いで、島からシラチャに戻ると
タイ人が潮干狩りをしている。
ああ、タイ人と共に貝をとりたいと思って一緒に始めると
「日本人でも浜におりてくるのね」と心が通じて(勝手な想像)、
大きな貝をいっぱいくれた。