送る日々 - 自転車世界一周配達日誌archives

別のことを長々と書いていて「…日々を送っている。」と
打ち込んでみて、そうきたか、と思うことがあり。

日も手紙と同じく「送る」ものなのか、と。

手紙は一通一通思いを書き込んで送るのだけれど、
あれほど真剣に書いたことも、一旦投函してしまえば覚えているのは
数行と封筒の絵柄ぐらいなもので、ほとんどは忘れてしまう。

あれほどの日々も、送ると忘れていくことがある。

日々少しずつ忘れていくものは、
それは一通一通努力して私が書いているものか。
私は確かに日をどこかに送っているだから。

そう思うと、
ただ怠惰に過ごしているのではないような気がしてくる。

忘れたいことが多い今の私だけれど、
不思議なことに、かついだ荷を
ゆうパックでどーんとまるごと送ってやりたくはならない。
（たまにはなるけれど）

こんなことについて書くと、
きっと詩人は、送った日々の集積所について
なにか伝えてきてくれそうな気がする。