サワンナケート2
トヨタ車の助手席に乗って、10分ほど郊外に走ると
ラオスらしからぬまばゆい照明を浴びた建物があって
その名も「サワンベガス」。
ドレスコードなんてものはなく、皆サンダルとシャツ姿。
建物の中で流通している通貨はタイバーツで
1枚50バーツのチップに交換して、それをポイポイ
台の上に置いて楽しんでいるのは、ラオス人ではなくてタイ人。
僕は手持ちの20ドルを600バーツに交換して
タイガー&ドラゴンランキングとかいう、とてもシンプルなゲームを楽しんで
カジノを出るときには2500バーツになっていた。
差し引き1900バーツ、ってことは、まぁざっくり6000円で
僕の1週間分の生活費ってことになる。
旅行中に賭け事というと、沢木耕太郎『深夜特急』を思い出すのだけれど
東南アジアに入ってから、BOOK EXCHNAGEのお店にいくと
新潮文庫の『深夜特急 2』がやっぱり置いてあって、そういう時は
僕もこれに憧れたんですよと、傍らの誰かにささやきたい。
沢木青年のように、コテンパンにすられるのも魅力的だなあと思いつつ、
きっちり勝ったままで帰ってきたのは、この前読んだ同『一号線を北上せよ』が
つまらなかったからだと思う。