大阪
カナエさんは4年前、僕にトルコへの手紙を依頼した人で
大学時代の友人。
去年の6月に僕はその手紙を配達し、
彼女が9年前にお世話になった下宿先の家族に会うことができた。
そのときの様子は、このようなかんじ。
http://d.hatena.ne.jp/sekaiisshu/20110606/1307656254
その家族から
「日本に帰ったらカナエに届けてね。」
と3通の手紙を預かっていて、
ゴールデンウィークの大阪で、ようやく渡せることになった。
手紙の内容をちょこっと訳してもらったのだけど、
下宿先のお母さん曰く、
「長い間、連絡が取れなくて心配していたけれど、
今悩みが晴れて再び世界が戻ってきた」と。
わかりにくいけど、とてもトルコ語風の表現なので
訳すのは難しいんやと。
まぁ、そういう風にその言語独特のひねった表現や
聞きなれていたフレーズを目にしただけで、
元々つながりのあるもの同士は嬉しくなるもんらしく
楽しそうに読んでいた。
9年間、連絡をとる機会を逸していた人からの手紙を受け取って
「私のトルコの止まっていた時間が動き出したよ。ありがとう。」
と言ってくれた。
続いて、もう1通。
大阪の女性から
4年前に「3年後に届けて欲しい」と預かったもの。
1年遅れになった。
あて先は、僕の大学時代の後輩で、大阪に住んでいる。
つまり、これは日本から日本への手紙なのだけれど。
今この瞬間には伝えられないけど、3年後に
今そう思っていたということを伝えたい、
それまで彼には内緒にしていて欲しい、と言われていた。
彼とはたまに連絡をとっていたので、
君宛の手紙を持っているよ、とだけ言って
誰からなのかを隠しておくのは、けっこう楽しかった。
久々の再会だったので
酒をかなり酌み交わしながら、僕のテーマソング
熊木杏里を聞きながら、手渡した。
「内容どうこうより、手紙ってことが嬉しいですよ。」
と。
帰ってきても
何をしてきたのか、いまいち自分でもわかってないけれど、
ふとこういう抽象的な、でも人がたまに辿りたくなる
別の世界に想いを馳せると、
ようやく自分の走った時間と距離を実感できる。
あと、2通。
東京と長崎。
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