配達

徳島3

僕が走った頃のシリアはまだ平穏で、 どこで寝ても大丈夫なんじゃないかと思うぐらい平和な国だった。 実際に大都市以外は野宿と民泊、モスク泊で夜をすごした。 今、テレビのシリア報道には爆破とか虐殺とかおぞましい 単語が付きまとうけれど、僕にはしっ…

大阪

カナエさんは4年前、僕にトルコへの手紙を依頼した人で 大学時代の友人。 去年の6月に僕はその手紙を配達し、 彼女が9年前にお世話になった下宿先の家族に会うことができた。 そのときの様子は、このようなかんじ。 http://d.hatena.ne.jp/sekaiisshu/201106…

徳島2

終了だと思って次のことに頭を切り替えていたら、 一通の電子メールが音もなく届いていて。 差出人は南アフリカのドリスさん、 件名は「Klass's wife response」。 最後の手紙配達の顛末はこうだった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー …

東京

帰国しました。 東海道通って実家の徳島に帰っているところ。 東京、上野公園。 夜桜を見ながら、友人達に再会できた。 皆、来てくれてありがとう。 ついこの前に預かった、 南アのジョルジーナさん、ドリスさんから コーイチさん宛ての手紙を渡すこともでき…

ポロクワネ

どこまでも真っ直ぐな道。これが南アか。 遠かったなぁ。 南アフリカでの手紙配達は3通。 どれもリンポポ州の州都ポロクワネ周辺。 依頼人のコーイチさんは5年前に ここで働いていて、受取人はその時の現地スタッフと プロジェクトに関わった農家の人。一通…

ボローニャ

イタリアは長靴の形、なんてベタなことを言うのは、 イタリア人に出身地を聞いたら、 片脚を中に浮かして、これがイタリアの形でここがナポリで俺はここ出身、 と指差したのが、やっぱ面白かったので。 じゃあ、ボローニャはどこになるかというと、 脚をもっ…

モナコ

全長2kmの小さな国。 でもGDPはアフリカの小国を上回るっていうんやから。。。 キレイな、でも数日走ると飽きてくるコートダジュールの海岸線を 登り下りして、モナコに着く。こんなところによくまぁ、という 山と海の間、切り立った崖に沿うように市街…

マルセイユ

マルセイユの配達は失敗。 あて先の場所には行ったけれど、 誰も通らない開かずの門の前で立ち尽くして終わった。 (天敵のオートロック門) さて、 アフリカの引力を感じる。明けても暮れてもアフリカの ことばかり考えている。 本当に同じ時間が流れている…

ケルン

ヤスマサさんから預かった手紙は、ケルンに住む 中国留学時代に寮のシェアメイトだったドイツ人アンディあて。 ヤスマサさんは昔、僕を取材してくれた新聞記者さんで 取材が終わってから、便乗して僕も、と手紙を託してくれた。 で、彼とは直接会っただけな…

メアブッシュ

デュッセルドルフ圏全体ではおよそ6000人の日本人が住んでいて そのほとんどが400社近い日本企業の駐在員とその家族で リトルトーキョーと呼ばれる、日本人街もそこにはあるらしい。 メアブッシュはデュッセルドルフに程近い街で、 高級そうな住宅が立ち並ん…

フェンロー

偶然は楽しい。 だから、へんな話だけれど 偶然が起こりうるように、そういうシチュエーションを準備する。 最近読んだ、ある指揮者のブログで 同じようなことを彼だか彼女だかも言っていて、 「音楽の楽しさは、音と音が偶然に出会うことにある。 指揮は、…

ブリュッセル

土屋さんは4年前に旦那さんの赴任に伴って ブリュッセルに来たらしい。 英語もフランス語もあまりしゃべれないままで。 「手紙を届けてそんな彼女の新生活を盛り上げてやってください。」 と依頼状には書いてあるけれど、 手紙を預かってからもう3年。 新生…

グリヴィツェ

アウシュビッツ強制収容所から60km西にあるグリヴィツェ。 最近、雨ばかりでちっとも進まない。 ハンガリー、デブレツェンでの配達がうまくいかなかったので 今回はあまり期待せずに配達先に向かった。 ヨシトミ君は大学時代の友人で、 手紙は彼が学生時代に…

デブレツェン2

ツバサ君から預かっていた手紙は 8年前デブレツェン留学時代の友達タマーシュ君あて。 中心部でたまたまツーリストインフォメーションの前を 通りかかったので、住所を見せると、 「そこなら、こういってこうこうですよ。」と。 そして、すんなりたどり着く…

アンカラ

カッパドキアを出て3日目。 17通目の手紙配達。 アンカラで手紙を渡すには、 もう少し時間をかけたほうがいいと直感めいたものがあって、 グルジア、アゼル、イランと遠回りしてやってきた。 遠回りした分の日々はこの手紙のものだ。カナエさんから預かった…

アレッポ

昼前にアレッポに到着したので、その足で 配達先のアレッポ大学に向かう。 差出人は神奈川で学校の先生をしている枝川さん。 彼女は僕の高校、大学の後輩。 6年前に大学内にある日本センターで日本語教師をしていた。 手紙はそのときの職場の仲間、秘書のバ…

ダマスカス2

「サバーバハラタという所に行って、 近所の人に聞けば場所がわかります。」 手紙の依頼人Rueさんから、そう言われている。 ネット屋で調べても さっぱりわからなかったので、 隣でネットしていたにいちゃんに聞いたら Googlemapをなぞって、 こ…

ダラア

アンマンのイメージは曇り。 でも今日はすこぶる天気がいい。 宿で朝食を食べて、出発。 アンマン市街地はアップダウンが激しい。 アンマンを出るのが一日仕事。80km先の 国境まで二日かかると思っていたら、 いざ走ってみるとアンマン郊外に抜ける道は…

アンマン3

アンマンから100km北。 シリア国境に向かった人が、 シリアのイミグレで入国拒否されて帰ってきた。 「ただいま。ダメでした。」と。 シリアは原則として 第3国でビザを取得できない。でも、人によっては 国境でアライバルビザが取れたりする。 彼で何人目だ…

カトマンズ2

「はじめましてから始まって、ご飯を一緒に食べたり、停電のときは 月明かりの下でおしゃべりしたり、サリーを着せてもらったり、 一緒にクルタ(女性のカジュアル民族衣装)を買いに行ったりと、 家族のように仲良くしてくれました。」 現在NYに住んでいる…

ジャカルタ

本日はインドネシアの独立記念日。 数日前から赤白の旗が通りに掲げられている。 フジタさんから聞いた 日本にいてはまず知らなかったであろう話。 毎年の独立記念式典に 数人の日本人が貴賓として招かれているのだそう。 その人たちは今の日本のお偉方では…

カラワン

ムスリムが断食をするラマダン入りをしている。 日中、たいていのレストランは閉じていて 仕方なくコンビニでパンを買ったけど 力でねーなー。 営業している店も陳列棚にカーテンをして 外から食べ物が見えないようムスリムに配慮している。 ジャカルタまで…

ジョグジャカルタ2

「日本人にとっての富士山と同じように ムラピ山とその麓に広がる田園は ジャワ人にとっての心象風景です。」 バイクと車だらけのジョグジャの街中を 地道に北に向かって自転車をこぐと そのムラピ山が遠くに見えてくる、はずなのだけれど あいにくの曇り空…

ペタリンジャヤ

今日はJARANSS2-36を探す。JARANはマレー語で「通り」の意味。 SS2通りの36番地、そこに手紙の受取人がいる。 差出人はシラチャのブンダリクさんの部下のユリさん。 ユリさんの妹さんは中国系マレーシア人の旦那さんと クアラルンプール郊外のペタリンジャヤ…

シャーアラム

慣れない電車に乗り込む。 でも看板は日本語で書いてくれてある。 日本人は英語がわからないから? クアラルンプールから30分 シャーアラム駅で降りる。 駅から歩いて数秒、 三角屋根のマンションに手紙の受取人が住んでいる。 大学時代のサークル仲間6人分…

シラチャ2

タイ宛の手紙は3通あって、そのうちの1通がここシラチャ。 残りの2通はバンコク。 あて先は、シラチャ・シティホテル。ミス.ブンダリク。 シティホテルは日本人が出張や家族連れでも利用する 一泊約2000バーツからの中級ホテル。 ちなみに今僕は200バー…

シェムリアップ

こんばんは。 手紙を配達しました。 約束どおり アンコールワットの見える野原に本当にそっと埋めてきました。 緑と空の青がきれいなところです。 2年前にもらった依頼状には 「遠く離れても私を心配してくれていたという彼に、 今日も笑って生きていること…

ホーチミン3

声を聞いて、大柄な若い人を想像していたけれど、 まったく違いました。 おっしゃるようにとても気さくで話しやすい人でした。 手紙はその場で手であけてくれて。 あぁ あの赤いかっちりした封筒があけられている数秒は時が止まったようでした。 手紙の感想…

ホーチミン2

今から手紙の受取人に会いに行くのである。

ビエンチャン2

トッピーはどこですか? 長崎の源さんから頂いたラオス、ビエンチャン宛の手紙。 さて、いざ届ける段になってあて先を確認すると 「phonsay村」とだけ書かれていて、通りや番地は 書かれていなかった。 あて先はkannika keohavongさん(女性)。ニッ…